ばっは51のビール歩き

ビールのあれこれ話します。

クラフトビール フォア ザ ピープル ~ブリュードック流 あたらしいビールの教科書

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 昨年末に本書の日本語版監修&翻訳者である長谷川氏に無理を言って送っていただきました。一言で言うとすると、教科書というよりビアEXPO(展示会)全体をキャッチーな言い回しで本の中にギューーッと詰め込んだ感じ。いや~、楽しいです。はい。

 

 ブリュードックのことは、端田晶氏著の「ビール今昔 そもそも論」にもあるように、作ったビールがマイケル・ジャクソン氏に認められ、その後の破天荒なアピールの仕方が受けて(もちろん地道に美味しいビールを作って)世界的に有名になったスコットランドのクラフトブルワーで、本書はその創業者であるジェームズ・ワット氏らによる著書です。

 

 「ビールが好きで仕方ないので、その楽しみ方を肩肘張らずに教えちゃうよ!」と笑顔で言われているように感じます。その感じが隅々まで行き渡っています。はじめにのサブタイトルに「僕らと同じくらいみんなをこの素晴らしいクラフトビールに夢中にさせる」とあります。この一言が、それを物語っていますね。それから、写真がとってもいいです。大きくてきれいですね。なので見てるだけで楽しいです。
構成は、はじめにの後に、基本的なクラフトビールの楽しみ方、それから、醸造の工程のこと、スタイルのこと、自家醸造のこと、ペアリングのこと、用語集や有益な情報源などです。文字が結構小さいので、若者はいいと思いますが、老眼の方は要注意です(笑)。

 

 気に入った点としては、ブリュードックのビールについて、惜しげもなくレシピを公開して載せていることや、ペアリングのところで料理のレシピも載せていることなど、情報量としてかなり突っ込んだ内容となっていることです。そしてなんと言っても全体として語り口が軽妙で、読んでいて楽しいことです。(ちょっと理解できない言い回しもあったりしますが。本当はそこまでわかるようになりたい。。)
スタイルの紹介をしているページなどで、飲んだ証として一滴垂らして感想を書こう、なんてのもあったり、ブリュードックバーに行った時のメモをするページもあります。(質問が面白い。。) 自家醸造のパートや裏表紙には、日本の酒税法に従って楽しむように「アドバイス」もしっかり記載されています。(日本語版監修時に入れたんのでしょう。)

 

 ブリュードック好きの人はもちろんですが、ビール好きの人全てにお勧めしたい本ですね、お世辞抜きで。

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